秒速5センチメートルに見る「存在したかもしれないと願っていた自分」

秒速5センチメートルを見たので悲鳴あげる(ネタバレ) - G.A.W. この記事を読んでも分かる様な分からない様な気分だったので、とりあえず作品を見直してみた。 まず何と言うか、あの程度の悲劇性それ自体は、それほど遠いものじゃないと俺は思う。世の中に…

大根のだいちゃん

サービスエリアのお土産コーナーでこのキャラクターを発見した時には、何かこう、「その先端は顎なのか股間なのか」みたいなありきたりな疑問を超えた、形容し難いショックを受けたのだけれど、帰宅してからこうして眺めてみると別になんて事のないデザイン…

孤独の昼餉

漫画「孤独のグルメ」のゴローみたいな事をしていた。 時刻は11時半。そろそろ昼食の当てでも探さなければと考えつつ自転車にまたがったのはいいけれど、具体的に何が食べたいのかが思い浮かばない。仕方ない少し走りながら考えるかと普段行く事のない地域に…

うちの近所には柿の木を植えている家が多い。 庭のあるそこそこ古い家には大抵柿の木があり、おそらくは渋柿だからか収穫される気配もなく、この時期になると寒々とした空の下で木いっぱいに稔った実が熟れていく様子を眺める事ができるものの、曇天の朝とな…

■猫

猫との出会いは常に緊張感が伴う。 目が合った瞬間から相手の出方をうかがう心理戦が始まり、どちらかが退いた後でさえ、まだ何かあるのではないか?という疑念が捨てられず、相手もまた同じ事を考えている事が背中越しの気配で感じられる。 あるいは、俺達…

■はじめに

文章というものをあまり書かなくなって随分経った気がする。 学生時代には、特に題材を決めなくてもだらだらと何時間も書き続ける事が出来たし、その延長で、半ば黒歴史に染まったブログやら小説やらを書いていた時期もあった。けれど最近はといえば、はてな…